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CSV版ダウンロード: task-inventory.csv
候補業務棚卸しシート
『生成AIは現場から入れろ』読者特典
このシートの目的
社内の業務を洗い出し、生成AI導入の優先順位を3軸スコアでつけるためのワークシートです。
「とりあえずAIを入れたい」という曖昧な議論を、「この業務から手をつけるべき」という具体的な意思決定に変換することを目的としています。
使い方
- 検討対象の業務を10〜20個リストアップする(部署横断で集めると精度が上がる)
- 各業務を3つの軸でスコア(1〜5点)化する
- 合計点の高い順に並べ替える
- 上位3〜5業務に絞り、巻末「導入診断シート」で次の検証に進む
このシートは、現場担当者と一緒に埋めるのが理想です。経営層や情シスが机上で埋めると、現場感覚とズレた優先順位が出ます。
スコアリング基準
軸1: 頻度(高いほど高得点)
| 点数 | 状態 |
|---|---|
| 5 | 毎日発生する |
| 4 | 週に複数回発生する |
| 3 | 週に1回程度発生する |
| 2 | 月に複数回発生する |
| 1 | 月1回未満、または不定期 |
考え方: 頻度が低い業務は、どれだけAIで時短できても全社の効果が薄い。投資対効果の分母にあたるのが頻度です。
軸2: 判断幅(広いほど高得点)
| 点数 | 状態 |
|---|---|
| 5 | 文脈や例外への対応が常に必要(定型化困難) |
| 4 | 半数以上のケースで例外対応が必要 |
| 3 | 半々程度。標準ケースと例外ケースが混在 |
| 2 | ほとんどはルールで処理できるが、稀に判断が必要 |
| 1 | 完全にルール化できる(判断不要) |
考え方: 判断幅がない業務は、従来のプログラムやRPAの方が確実で安く、しかも壊れにくい。AIを入れる意味があるのは、ルールでは書ききれない領域だけです。
軸3: 影響度(リカバリー可能性が高いほど高得点)
| 点数 | 状態 |
|---|---|
| 5 | 人間の確認・修正で容易にリカバリー可能 |
| 4 | 軽微な手戻りでリカバリー可能 |
| 3 | 一定のリカバリー労力が必要だが対応可能 |
| 2 | リカバリーに相当の労力・コストがかかる |
| 1 | リカバリー不可、または致命的(法的・身体的・金銭的) |
考え方: AIは間違えます。間違えてもリカバリーできる業務こそが、AI導入の入口に向きます。逆に、医療判断・与信判断・契約締結のような「やり直しがきかない領域」は、AI導入の最終ステージで考えるべきです。
棚卸しテーブル
下記表に業務を1行ずつ記入してください。
| No. | 業務名 | 担当部署 | 月間発生回数 | 1回あたり所要時間(分) | 頻度 (1-5) | 判断幅 (1-5) | 影響度 (1-5) | 合計点 (15点満点) | 優先順位 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||||||
| 2 | ||||||||||
| 3 | ||||||||||
| 4 | ||||||||||
| 5 | ||||||||||
| 6 | ||||||||||
| 7 | ||||||||||
| 8 | ||||||||||
| 9 | ||||||||||
| 10 |
(行は必要に応じて追加してください。CSV版を使えばExcelで自由に追加・並べ替えできます)
合計点の解釈
| 合計点 | 解釈 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 13〜15 | 最有力候補 | 導入診断シートで次の検証に進む |
| 10〜12 | 有力候補 | 上位3つに絞り、現場担当者と詳細ヒアリング |
| 7〜9 | 要検討 | 他の高スコア業務がない場合のみ検討 |
| 4〜6 | 優先度低 | いま手を出すべきではない |
| 3以下 | 対象外 | AI導入の対象から除外 |
記入例
参考例として、ある中堅製造業のケースを掲載します。
| No. | 業務名 | 担当部署 | 月間発生回数 | 1回あたり所要時間(分) | 頻度 | 判断幅 | 影響度 | 合計点 | 優先順位 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 顧客問い合わせの一次対応文面作成 | 営業事務 | 200 | 10 | 5 | 4 | 5 | 14 | 1 |
| 2 | 過去案件の類似事例検索 | 営業 | 60 | 20 | 4 | 5 | 5 | 14 | 1 |
| 3 | 製造日報の要約と異常検知 | 製造 | 22 | 30 | 4 | 4 | 4 | 12 | 3 |
| 4 | 取引先与信判断 | 経理 | 5 | 60 | 1 | 5 | 1 | 7 | 対象外 |
| 5 | 受注データの基幹システム入力 | 営業事務 | 150 | 5 | 5 | 1 | 5 | 11 | RPA推奨 |
読み方:
- No.1, 2 は3軸のバランスが良く、最有力候補。
- No.3 は中程度。No.1〜2 で成功体験を作ってから着手する。
- No.4 は与信判断のためリカバリー不能(影響度1)。AI導入の入口には不向き。
- No.5 はスコアは高いが判断幅がない。RPAで処理する方が確実で安い。
このシートを埋めた後にやること
- 上位の業務(合計13点以上)を3つ以下に絞る
- それぞれの業務について、巻末「導入診断シート」で14問の準備度チェックを行う
- 診断結果が「導入準備完了」になった業務から、PoC設計に入る
- PoC設計時は「ベンダー評価質問票」をベンダー打ち合わせに持参する
出典: 『生成AIは現場から入れろ——机上のDXで終わらせない、現場に定着する導入の考え方』 黛 政隆
このシートは本書の読者特典です。社内検討での利用はご自由にお使いいただけますが、再配布・商用利用はご遠慮ください。